実質が形骸化する株主総会に一言

 やっと株主総会の季節が終わった。問題の東電・総会には機動隊が異例の出動を行うなか、午前9時頃から株主らが続々と会場につめかけ、9時半には、用意された約5600席がほぼ埋まったという。そして予想通り総会は大荒れで、6時間超のロングランとなった。

 ここ数年間は海外からの指摘もあり、総会屋が仕切っていた旧商法時代に比べれば、だいぶ開かれた総会になってきたものの、それはうわべだけであり、実態はまだまだ経営者による経営者のための総会に過ぎない。
 その最たるモノが会場での議決であり、すでに議決をとる前から全ての議案が、法人大株主等が提出した委任状により採決されているのであり、総会会場での議決は全く無意味な形式的演出に過ぎない。それで今回の東電・総会でも悔しい思いをした個人株主が大勢いるはずである。今後は是非会社法を改正して、委任状の効力を1/2にするなどの法整備をして貰いたいし、会場を見回す程度の票決判断はやめて、きちっと賛成する人の数と反対する人の数を数えて報告して貰いたいものである。

 またコンシュマービジネスなど、個人に有名な企業では、質問者が多く全員が質問する機会を与えられない場合が多い。議長が事前に質問は簡潔に、かつひとり2問までと宣言しているのに、だらだらと自分の身の上話や議場にそぐわない質問をする株主がいる。また5つも6つも質問をする人がいる。これらを議長が受け付けてしまうから、同じようにつまらない質問や一人で多くの質問を繰り返す株主があとをたたないのだ。それでも全員の質問を受け付けてくれればまだよいのだが、さんざん待たせた挙句に、一時間程度経過したところで「質問はあと一つで終わります」と突然質問を打ち切ってしまうのだ。これではさんざん待たされた株主は怒り狂いたくなってしまうじゃないか。議長さんへ一言、質問は一人一問に限定し、時間が余ったら再質問を受ける方法に変えてもらいたい。