民主化の流れは止まらない

 エジプトのムバラク大統領失墜に始まった民主化の流れは、まるで暴風雨で決壊した大河のように、その猛烈な勢いは止まる事を知らない。そしてその流れはあっというまに近隣のリビアチュニジア、イエメン・イラクなどを飲み込んでいる。
 そしてこの流れは、いずれ遠国の中国や北朝鮮にも及んで行くことだろう。インターネットとその進化とは実に恐ろしいものである。もはや世界は小さくなってしまい、この民主化という激流を止める事は不可能であろう。
 この騒動で犠牲になった多くの人々には気の毒だが、ある意味こうなる事は当然であり、実に喜ばしいことかもしれない。早くこの激流がアジアまで押し寄せることを期待したいね。

 ただ気に入らないのは、リビアや中東などの産油国の政情不安が続く限り、石油価格が暴騰して世界中の経済が麻痺してしまうことである。確かに現実問題として価格が騰がる事は否めないが、この政情不安を利用して必要以上に石油価格を吊り上げている嫌な奴等がいるのだ。そう、世界中の投機マネーが石油の買占めに走っているからである。
 いつもこういうことが起こるたびに思うのだが、どうして生活関連品である貨幣、石油、小麦などへの異常な投機マネーの流入を規制出来ないのだろうか。彼等は武器を輸出する「死の商人」と同様、完全なる「悪魔の生活破壊者」なのである。実に気に入らない。だが判っていても我々にはどうする事も出来ない。民主化は賛成なのだが、民主化の行き着くところは結局また泥沼なのかもしれない。実に皮肉なスパイラルである。そしてそれが人間の性なのだろうか。