タイの大洪水

 タイを襲った数十年ぶりの大洪水による被害は、さらに拡大し続けておりとどまることを知らないようだ。私が以前勤務していた会社もタイに工場があり、かなりの被害を受けているようだが、タイは日本の製造業の進出がめざましい。

 従って今回のタイ大洪水は、対岸の火事ではなく、まさに日本が被る被害も莫大な額にのぼると思われる。また洪水自体の被害だけではなく、100匹余りのワニが動物園から逃げたという。さらにトラやヘビも逃げ出している可能性があるとしている。

 今後は衛生状態悪化により、伝染病が蔓延する可能性もあるだろう。非常に気の毒であるが、もはやタイに進出している日系企業は、壊滅的状況に追い込まれるのではないだろうか。
 それにしても、今年は日本だけではなく、世界中で異常な天変地変が続いている。不遜な人類が撒き続けた自然破壊に対する、神の報復なのか。これから地球は一体どうなるのか不安で堪らない。

 また利益追求オンリーで国内から海外に生産拠点を移し続けている企業にひとこと。この状況は原発と非常に似ている。つまり目先のコストは安いが、膨大なカントリーリスクを併せ持っているということである。従って海外移転もほどほどにして、こうしたリスクに備えて、これからは国内にもしっかりした生産拠点をいくつか確保しておかねばならないだろう。