原発は決して安くないのだ

 福島第一原発は、次から次へと起こる難問処理のため、復旧作業は遅々として進まず、相変わらず全世界の不安と恐怖心を煽り続けている。このたびの事故の最大原因は、想定外の津波により電源とポンプが破壊されてしまったからということになっている。だがその津波想定がわずか5メートルだったというのは、余りにもお粗末ではなかっただろうか。これは天災というよりは、明らかに人災である。今後建設する原発はもちろんの事、既存の原発においても、最低限次の対策を立てていないものについては、廃止するような法律を作る必要がある。
1)津波の想定は50メートルとする
2)電源が切れても直ちに復活できる予備電源を3つ以上作る
3)ポンプやモーターは一番高く安定した場所に配備し、予備を5つ置いておく
4)原発は100キロ以上離れていないと建設できなくする
5)一つの原発では原子炉を3つ以上作れなくする
6)100メートル以上のアームの高さを持つ消防設備を2台以上常備する
7)遠隔操作の出来る作業ロボットを5台以上常備する
8)原子炉及び格納容器の厚さは現在の三倍以上とする
9)格納容器は現在の倍以上の大きさにして二重にする
10)腹水機の大きさを倍にして、必ず予備も作る
11)使用済み燃料保管プールの広さを倍にして、強度も倍にする
12)真水を保管しておく巨大貯水槽(10万トンクラス)を設置する
13)汚染水をプールする巨大貯水槽(10万トンクラス)を設置する
14)どんな事があっても、原子炉・格納容器・建屋内の様子が一目瞭然に分かる機器類を配備しておき、絶対に壊れない処理をほどこす

まだまだあるが、一応少なくとも上記くらいは守って欲しい。もしそれではとても高額になり過ぎて採算が合わないというのなら、原発は辞めるしかない。実は本当の安全を守る整備をすれば、原発は決して安いものではないのだ。原発の建設は安上がりという虚構の神話はもうそろそろ店じまいをする時がきているのである。